【愛着障害】愛の「受け取り方」を変えるだけで世界は輝き出す

こんにちは、心理カウンセラーちえです。

私自身、かつて愛着障害に苦しんだ経験があります。周りからは「みんなに愛されているね」「恵まれているよ」と言われても、心の底からそう感じることができませんでした。常に満たされない、枯渇したような感覚に悩まされていました。

この記事では、愛着障害の方がなぜ愛を感じにくいのかをわかりやすい例で説明し、どうすればその感覚を変えられるのか、その具体的な方法についてお話しします。

なぜ、目の前の「愛」をキャッチできないのか？

愛着障害を抱える方が愛を感じにくいのは、あなたの周りに愛がないからではありません。

例えるなら、私たちは皆、同じくらいの「愛の雨（水）」が降る環境に立っています。しかし、愛着障害ではない人の受け皿が大きなバケツだとしたら、私たちの受け皿は、細い管のついた漏斗のようなものなのです。

周囲の愛（水）の量： あなたの周りには、家族、友人、パートナー、職場の同僚などからの優しさ、気遣い、許容といった愛（水）が、他の人と同じくらい降り注いでいます。
受け皿（漏斗）の管： 問題は、その愛を受け取るための「管（愛のキャッチセンサー）」が極端に細くなっていることです。
- 広い空から降る愛（水）が大量であっても、細い管を通れる水の量はごくわずかです。
- 結果として、あなたの心（受け皿）には、入ってきた愛のごく一部しか溜まらず、いつも「愛が足りない」「満たされない」と感じてしまうのです。

さらに厄介なのは、この細い管を無理に通そうとするがゆえに、「ゆがんだ愛」を求めてしまうことです。

私たちは、幼少期に適切な愛着（安全基地）を経験できなかったことで、「本当の愛の形」を学ぶ機会を失ってしまいました。その結果、別のものを愛だと誤認してしまいます。

私たちが愛だと誤認しやすいもの（ゆがんだ愛の形）

これらは愛情の一側面ではありますが、本質的な愛は、相手の存在そのものを尊重するという、もっと穏やかで、言葉や行動に表れない「そこにあるもの」です。

細い管では、この穏やかな「本当の愛」は入ってきづらく、代わりに、極端で刺激的な「ゆがんだ愛」だけを愛だと感じてしまうのです。

でも、安心してください。漏斗の管は、あなたの努力と向き合いによって、必ず太くできます。

管が太くなることで、入ってくる水の量は変わらなくても、あなたの受け取る水の量（愛）が劇的に増えます。

その結果、周りの環境や人間関係が何も変わっていなくても、あなたは様々な日常の場面で「愛されている」「大切にされている」と感じられるようになり、心の幸福感が大きく高まるのです。

愛着の「管」を太くする作業とは、あなたの心（受け皿）の構造そのものを変える作業であり、これは一人でやるには非常に難しい作業です。なぜなら、その細い管を作った原因は、幼少期の無意識の経験にあるからです。

ここで最も有効な手段となるのが、心理カウンセリングです。

カウンセリングは、愛の管を太くする上で、以下の役割を果たします。

カウンセリングの役割	管を太くする仕組み
安全基地の再構築	心理カウンセラーとの安定した関係（いつ来ても受け入れられ、見捨てられない）を体験することで、「愛は安全である」という感覚を脳に再学習させます。これが愛を受け入れるための土台になります。
認知の歪みの修正	「私は愛される価値がない」といった愛の受け取り方を邪魔している思い込みを、カウンセラーとの対話を通して一つひとつ認識し、現実的で健康的なものに変えていきます。
感情の受容	これまで抑圧してきた「悲しかった」「満たされなかった」という感情を、安全な場所で解放し、受け止めてもらう体験をします。感情が整理されることで、愛の受け皿（心）にスペースが生まれます。

心理カウンセリングは、細くなった愛の管を無理やり広げるのではなく、「どうしてこの管は細くなってしまったんだろう？」という原因を優しく探り、根本から太く丈夫な管へと作り直す、いわば心の工事のようなものです。

この工事を完了させれば、あなたは意識して頑張らなくても、自然と周りの愛をたくさん受け取れるようになります。