大切な人にほど、うまくいかないことがあります。
相手のちょっとした意見が、自分の全否定のように聞こえてしまったり。
思わず感情的になって「自分は悪くない」と反論してしまったり。
私はかつて、自分が「回避型の愛着スタイル」だと気づいていませんでした。
それは、人とのつながりをどこかで怖れ、でも本当はわかってほしいと願っている、そんな矛盾を抱えた生き方でした。
“意見”なのに“否定”に聞こえるとき
ある日、パートナーに「もう少し力を抜いてもいいんじゃない?」と言われたことがありました。
何気ない言葉だったのだと思います。でも私は、「それって、今の私じゃダメってこと?」と、心の中で反射的に跳ね返してしまったんです。
指摘をされたわけではないのに、完璧でなければ愛されないと感じてしまう。
そして、そんな自分を守るように「私は間違ってない」と、自分に言い聞かせてしまう。
冷静になればわかるのに、瞬間的な怒りが込み上げてきて、その感情に支配されていました。
それが、私が抱えていた“回避型の愛着スタイル”の一面でした。
相手を型にはめて、安心したかった私
私は、効率や正解を求めすぎるあまり、大切な人にも「こうあるべき」という自分の型を押し付けていました。
「ちゃんとしてほしい」
「私の考えをわかってほしい」
でも本当は、その裏に「そうしてくれないと私は不安」という思いがありました。
相手の自由な意見や行動を“自分への裏切り”のように感じてしまい、関係がぎくしゃくする。
なのに私は、「私は悪くない」と自分を正当化して、自分の本音と向き合うのを避けていたのです。
愛着スタイルを知ることは、自分と相手を許すこと
「回避型」の人は、感情を感じないようにして頑張り続ける傾向があります。
一方で「不安型」の人は、相手に必要とされたい思いから、過剰に尽くしすぎてしまう傾向があります。
どちらにも共通するのは、「愛されたいのに、うまく愛せない」というジレンマです。
私は、その背景にある“愛着スタイル”を知ることで、「私はなぜこんな反応をしてしまうのか?」と自分に問いかけることができるようになりました。
それは、他人を責めたり、自分を責めたりする生き方から少しずつ離れていくための、大きな一歩だったように思います。
おわりに
もしあなたが、大切な人との関係に疲れてしまったり、何度も同じことで悩んでしまうなら、
その裏にある“心のくせ”に目を向けてみてほしいのです。
愛着スタイルは「変えなければならないもの」ではなく、「理解して、優しく寄り添っていくもの」です。
誰かとの関係に悩んでいるあなた自身が、まず自分の心と手をつなぐところから。
そこから、少しずつ関係は変わっていけると、私は信じています。