アドラー心理学の課題の分離で人間関係を改善しよう

心理
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職場の人との距離悩むことはないですか?

もしも職場や学校での人間関係にお悩みの方には、アドラー心理学の「課題の分離」の考え方が役に立つかもしれません。

私たち人間が生きていくうえで欠かすことのできない人間関係。うまく他人との距離を保ちながら関係性を築いていくことができればいいですよね。

この記事を読んで、あなたが少しでもストレスなく人と関わるヒントになれば嬉しいです。

アドラー心理学とは?

アドラー心理学とは、医師であり心理療法家でもあったアルフレッド・アドラーによって創設された心理学の理論と実践です。

アドラー心理学は、「人間の行動にはすべて目的があり、自分が現在置かれている状況は自分の目的を達成するために自らが選択した道である」という考えであり、人間関係において基本となる重要な考え方です。

アドラーによると、人間の悩みのほとんどが「人間関係に関する悩み」であり、人との関係性を改善することで人は悩みから解放されます。

詳しくはこちらの記事でご紹介しています。

アドラーから学ぶ「課題の分離」

アドラーは、「人間関係の悩みは全て対人関係の悩みである」としています。

では、アドラーの言う「課題の分離」とは何でしょうか?

課題の分離とは?

「課題の分離」とは、人それぞれの課題を分けようという考え方です。

あなたは人間関係において相手の問題に踏み込みすぎてしまい、トラブルになった経験はありませんか?

アドラーは、人が人間関係で悩むのは「課題の分離ができてないから」と主張しています。

課題を分離していくためには、身のまわりで起こるさまざまな問題について、「結果を最終的に引き受ける人はだれか」を判断していくことが大切です。

ここで例を出して説明していきましょう。

課題の分離の例

「宿題をしないA君・B君とその親」を例にして課題の分離についてご紹介します。


A君の母親の場合
・イライラ
・「なぜやらないの?いつも言ってるでしょ!」と怒る
・「宿題やらないとご飯抜きよ!」と圧力をかける
・教育がなってないのかしらと嘆く

B君の母親の場合
・「宿題はあの子の課題」と判断
・「わからないことがあったら聞いてね」と伝える
・「お母さんはB君のこと応援してるからね」と伝える

A君とB君の母親にはどんな違いがあるのでしょうか?

B君の母親は、「結果を最終的に引き受ける人はだれか」を考え、
①コントロールできる課題
②コントロールできない課題
に分けました(課題の分離)。

B君の宿題はB君の課題であって、B君の母親の課題ではないため②のコントロール出来ない課題に当てはまります。

コントロールできない課題であれば執着しない。基本的には本人に任せ、過剰な干渉は避ける。これがアドラーの主張です。

一方でA君の母親の関わり方は、子どもの課題に土足で踏み込んでおり「課題の分離」ができていません。このような関わり方をアドラー心理学では甘やかし・過保護・過干渉であり、よくないとされています。

課題の分離は冷たい?

上でご紹介した例を見て「B君の母親は冷たい」と感じた方はいますか?

アドラー心理学は時に、”冷たい”と誤解されてしまうことがあります。

しかしここで注意したいのが、アドラーは課題を分離した後「あれは他人の課題だから無干渉でいい」と言っているのではありません。「課題の分離」を行った後「共同の課題」へとシフトさせよ、と主張しているのです。

この「共同の課題」とは、他者の課題に部分的に協力すること。

基本的には「相手から実際に相談があったときに限り、最大限相手の力を信じて必要最低限のサポートとなること」を意識して人と関わります。

ここで必須となるのが、相手への信頼です。

課題の分離で人との適切な距離を保つ

アドラーの「課題の分離」は、人との適切な距離感を保つことが重要であるという考えに基づいています。

例えば、職場の人間関係では、「人との距離感が適切ではない」ことがトラブルの原因になりがちです。

人との距離が「近すぎる」と、親密さゆえに批判を恐れたり、チームメンバー間の競争を招いたりすることになります。

一方で「遠すぎる」と、コミュニケーションが十分に取れず、チームメンバーが互いの視点を理解できないまま、孤立してしまうことにつながります。

「課題の分離」の概念を知り、程よい距離感で人間関係を構築することによって、チームメンバーが自主性や自立性を持ちながら互いの仕事をサポートし合い、チームとして協力し合えるようになります。

課題の分離でちょうどいい距離感を保つ方法 4選

アドラーの「課題の分離」を利用すると、人間関係を改善することができます。

ここからは、人間関係にもつれが起きやすい職場で、課題の分離と実践するための4つの方法ご紹介します。

お互いの境界線を尊重する

人間関係において忘れてはいけないことは、互いの境界線を尊重することです。

これは、お互いのパーソナルスペースを尊重し合い、他人との物理的な距離を保つことを意味します。

例えば、人と話すときは数メートル離れて立つ、接近しての接触を避けるなどに注意して、お互いのパーソナルスペースを尊重するようにしましょう。

このように他者との物理的な距離をとる意図は、「人は物理的な距離が近いことで、心の距離までも近くなったと錯覚してしまう」という法則に基づいて、人との境界線を保つためです。

互いに自立した関係性を構築するためにも、物理的な距離を保ちましょう。

目の前の仕事に集中する

職場での人間関係を良好に保つために必要なことは、目の前の仕事に集中することです。

この意味は、上で説明した「課題の分離」をし、人の課題に干渉しすぎないことが大切だということです。

例を出して説明します。

あなたが入社2年目の部下のCさんと一緒に仕事をすることになったとしましょう。Cさんは、自分の悩みなどを話すことがなく、ストレスを抱えやすい性格です。そんなCさんをあなたはすこし不安そうに見ています。

ここでやってはいけないのは、Cさんのためだと思って、Cさんに任せた仕事をCさんに断りなくあなたがやってしまうことです。きっとCさんは自信を無くすことでしょう。

「課題の分離」の観点から見ると、一旦Cさんに任せた仕事はCさんの課題になります。

Cさんから「手伝ってほしい」など依頼されない限りは、Cさんの仕事にあなたが介入する必要はないのです。

あなたができることは、「信頼して仕事を任せること」、そして、「いつでも相談に乗る姿勢があると伝えること」です。これが「共同の課題」です!
 

前向きな姿勢を保つ

職場の同僚と良好な関係を築くには、前向きな姿勢が大切です。困難に直面しても、常にサポートし、励ましましょう。

上のCさんの例でいうと「共同の課題」として「いつでもサポートする気持ちがあると伝えること」もこれに入ります。

感謝の気持ちを表す

職場の同僚に対して、感謝とねぎらいの気持ちを表しましょう。

お互いの仕事を認め、その仕事にかける努力を認め合うことで、満たされた気持ちになります。

感謝の気持ちを伝えることは、信頼関係を築き、人間関係を強化するのに役立ちます。

課題の分離で心地よい距離を

この記事では、アドラーの「課題の分離」について職場での人間関係を例に出してご紹介しました。アドラーの「課題の分離」は、人との心地よい距離感を保つうえでとても参考になる考え方です。

ご紹介した4つの方法を守ることで、相手と適度な距離を保ちながら、互いを尊重した人間関係を築くことができるのではないでしょうか。

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