恋愛がうまくいかない…自分に問題があるからかも。と不安に思っている方もいるのではないでしょうか。
もしかしたらそれ、愛着障害が原因かもしれません。この記事では愛着障害について詳しく解説し、幸せな恋愛をするための方法についてご紹介します。
愛着とは?
「愛着」とは、人が特定の人物に対して抱く深い感情的な結びつきのことです。幼いころに親や養育者との間で築かれる「安心感」や「信頼感」が、他者との関係性の土台となります。
この愛着がしっかりと形成されていない場合、恋愛や友人関係、社会性に影響を及ぼし、対人関係が苦手になってしまうことがあります。
愛着形成までの道のり
幼少期の親子関係が愛着形成に大きな影響を与えます。
愛情深い環境で育った子どもは、無条件の愛情を受けることで他者に対する信頼感や自己肯定感が高まり、安定した対人関係を築くことができます。しかし、虐待やネグレクト(育児放棄)などのトラウマを抱えると、愛着がうまく形成されず、恋愛や人間関係において不安や不信感を抱くようになります。
人は生まれてから一歳半〜二歳くらいまでの間に愛着が成立すると言われているので、期間に愛着が形成されなかった場合、親や他人との間に安定した愛着を育むことが難しくなります。
例えば
・母親とのスキンシップの時間が短かったり、泣いても反応してもらえなかった
・条件付きの愛情で育てられた(○○しないと○○してあげないよ)
・ありのままの自分を拒否された
・悲しい時に寄り添わず、不機嫌に対応された
・甘えられない環境で一人で生きるしかなかった
などがあると、愛着形成が困難になります。
また、愛着形成期間終了後であっても養育者がいなくなる(亡くなる、離婚などで養育者が交代する)などのきっかけで 愛着形成が困難になることがあります。
しかし、養育環境が全てではないこともわかっています。
それ以降の環境も関わっており、学校や社会における対人関係の影響も少なくありません。特に大きいのは、恋人や配偶者といったパートナーからの影響です。
愛着が恋愛に与える影響
研究によると、幼少期に安定した愛着を習得した人は、人間関係を築くのが容易で、一般的に自尊心が高いことが分かっています。
さらに、幼少期に安全な愛着を経験した人は、恋愛相手と健全な関係を築く可能性が高くなります。浮気もしにくく、自分のニーズを確実に伝え、関係を長く維持することができます。
逆に、愛着がしっかりと形成されていない人は、恋愛においても問題を抱えやすくなります。特に「愛されているかどうか」に対する不安が強く、恋人からの行動に過剰に反応してしまうことがあります。
例えば、恋人の些細な言動に一喜一憂したり、相手からの連絡が少ないと「見捨てられ不安」に襲われます。また、自責感やパートナーに対する不信感も強まり、時には自暴自棄になることもあります。
このように、愛着形成と恋愛は深く関係していますが、愛着の問題に気づかないまま恋人関係に苦労し続ける人も少なくありません。
愛着スタイルの種類
愛着にはいくつかのタイプがあります。大きく分けて安定型と不安定型(愛着に障害がある=愛着障害)の2つに分けることができ、不安定型愛着スタイルは大きく分けて2種類に分類することができます。
1、安定型
愛着スタイルが安定している
2、不安定型
愛着スタイルが不安定(=愛着障害)
不安型愛着スタイル
不安型愛着の人は、常に相手からの愛情を求める傾向が強いです。
恋人が自分を愛しているかどうか不安になり、常に確認したがります。例えば、「恋人が何をしているか気になる」「連絡が少ないと不安になる」など、常に相手の行動を気にしてしまいます。
また、感情が不安定で、相手にわざとマイナスの感情をぶつけることもあります。
回避型愛着スタイル
回避型の人は、逆に恋人と距離を置きがちで、感情表現を避けます。
甘えたいけど拒否されるのが怖いと感じたり、好意や愛情を素直に表現するのに違和感を覚えるため、恋人との親密な関係を避けます。スキンシップに嫌悪感を抱いたり、相手を突き放すことが多く、恋愛が長続きしないことがあります。
本心とは裏腹に平静を装い行動している自分の行動に、嘘をついているような気がしてしまうこともあります。
自分がどの愛着スタイルに当てはまるか気になった方は、大人の愛着障害チェックテストで確認してみましょう。
恋人関係に潜む愛着障害のトラブル 4選
恋愛において、愛着障害は深刻な問題となることがあります。
恋人関係における様々なトラブルや問題が多い場合、愛着障害が原因かもしれません。
相手からの連絡が少ないと不安になる
恋人が連絡してこないとき、つい不安になってしまうことはありませんか?
愛着障害の人は、恋人からの連絡が少ないと「自分は見捨てられたのではないか」と感じやすくなります。見捨てられ不安を抱えたままでは、恋愛を楽しむことができず、常に相手の顔色を伺ってしまいます。
恋人からの連絡は自分を愛している証拠であると考え、異常なほど気にしてしまうことがあり、相手からの返信が少ない時には怒りや不安を感じてしまいます。
これは不安型の愛着障害の方に多い傾向です。
恋人と離れていられない
不安型愛着障害の人は、「いつも恋人と一緒にいないと落ち着かない」と感じ、依存的な行動をとりがちです。結果として、恋人に過剰な期待や要求をしてしまい、恋愛がうまく行かない原因になります。
時には、恋人がギャンブル依存やアルコール依存であると分かっていながら別れられないという事例もあります。これも「恋人がいつ関わってくれるだろう」という期待からの行動なのです。
恋人を突き放してしまう
「自分が愛されているか」という感覚に敏感であり、見捨てられ不安も強い傾向があります。
対して、人を心から信じきれないという葛藤もあり、愛する恋人が甘えようと近づいてきても感情を整理しきれずに断ってしまうことがあります。
そのため、恋人は「拒否された」「嫌われた」と感じ、誤解を与えてしまうこともあるでしょう。恋人に近づきたいけれど傷つくことを恐れ、一定の距離感も欲しいと感じてしまいます。
このような心理から、同じような行動をとってしまい、同じようなパターンで別れに発展してしまうことも少なくありません。
これは回避型の愛着障害の方に多い傾向です。
情緒が不安定で怒りをぶつけてしまう
愛着障害のどのタイプにも当てはまることが、感情のコントロールができないということです。
過度に感情を抑制してしまったり、カッとなったりしやすい特徴があります。
恋人のことを信頼できずに、相手の反応をうかがいすぎて何も意見しなかったり、自分に自信が持てずに高圧的な態度をとったりすることで恋人を繋ぎとめようとする人もいます。
心地よい恋愛をするために
恋愛と幼少期の愛着形成の関係性についてご紹介しました。幼少期の養育環境が恋愛にトラブルをもたらすことがあるなんて驚きですよね。
恋愛がうまくいかないと調べていたら愛着障害を発見したという人も多いのではないでしょうか。一人で悩みを抱え込む必要はありません。カウンセリングや専門家への相談によって問題を解決することができます。
カウンセリングは、個人の成長や関係の改善につながることがあります。カウンセラーは、クライエントがどのような気持ちであるのかを理解し、専門的な知識を活用して、問題解決に導くことができます。恋愛関係に悩んでいる人は、どんなに些細な悩みでもカウンセリングや専門家に相談することをおすすめします。
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