愛着障害に多い認知の歪みとは?〜あなたを苦しめている“思考のクセ”に気づく~

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「どうせ私なんて愛されない」
「相手が返事をくれないのは、きっと嫌われたからだ」
「もっとちゃんとしないと、人に迷惑をかけてしまう」

…そんなふうに思ったことはありませんか?

これらの思考は、現実的な根拠よりも、「心のクセ」から生まれていることがあります。心理学ではそれを「認知の歪み(ゆがみ)」と呼びます。

この記事では、愛着障害のひとが抱えやすい認知の歪みについて解説します。読みながら、「あ、自分もこういう考え方してるかも」と気づけたら、それが第一歩。あなたの感じている生きづらさは、あなたのせいではありません。そして、思考のパターンは見直すことができます。

認知の歪みってなに?

認知の歪みとは、出来事を現実よりも悲観的・極端・否定的にとらえてしまう「思考のクセ」のことです。

人は誰しも、自分の経験や信念という“心のレンズ”を通して物事を見ています。たとえば、同じ出来事でも、それを「自分を責める材料」にしてしまう人もいれば、「大したことない」と受け流せる人もいます。

愛着障害の人は、幼少期に「安心して甘えられなかった」「感情を受け止めてもらえなかった」という体験をしていることが多く、無意識に「人は信用できない」「自分は価値がない」といった前提を心に持っていることがあります。

そのため、出来事をネガティブに受け取ってしまいやすくなり、現実との間にズレが生まれてしまうのです。

愛着障害に多い7つの認知の歪み

ここでは、愛着障害をもつ人に特に多く見られる7つの歪みをご紹介します。読みながら、自分の思考と照らし合わせてみてください。

1. 白黒思考(オール・オア・ナッシング思考)

「うまくできない私はダメだ」
「この人は完璧じゃないから信用できない」

物事を「0か100か」「良いか悪いか」でとらえてしまう傾向です。少しのミスで全否定したり、人間関係で極端に距離を取ってしまう原因になります。

2. 自己関連付け(パーソナライゼーション)

「相手が疲れてるのは、私が何かしたせいかもしれない」
「私がいると場の空気が悪くなる」

相手の気分や状況を、自分のせいだと無意識に結びつけてしまう思考です。過剰な罪悪感や自責につながります。

3. 過度の一般化

「一度失敗したから、もう誰にも信用されない」
「この人にも見捨てられるに決まってる」

過去の経験をもとに、「いつもそう」「どうせまたこうなる」と全体に広げてしまう思考です。未来に対して希望が持てなくなります。

4. マイナス化思考

「褒められたけど、本心じゃない」
「うまくいってるように見えても、きっとすぐダメになる」

ポジティブな出来事を受け取れず、無意識に否定したり裏を読んでしまうパターンです。人からの好意も素直に信じられません。

5. 「〜すべき」思考

「迷惑をかけてはいけない」
「ちゃんとしてない私はダメだ」

自分に対して厳しいルールを課してしまいがちな傾向です。過剰な自己抑制や完璧主義につながり、日常生活が息苦しくなります。

6. 先読み思考(破滅的予測)

「どうせまた裏切られるに決まってる」
「やっぱり私が一人になる未来しかない」

根拠のない未来の不安や最悪のシナリオばかりを考えてしまう思考です。挑戦や人とのつながりにブレーキがかかります。

7. 感情的決めつけ

「不安だから、きっとこの関係はうまくいってない」
「寂しい=私は見捨てられているに違いない」

感情の強さだけを根拠にして物事を判断してしまうことがあります。気持ちと事実を区別できずに、誤解や混乱を生みます。

その「歪み」は、あなたを守ってきた証かもしれない

ここまで読んで、「こんなに自分は歪んでいるのか…」と落ち込んでしまった方もいるかもしれません。

でも、ちょっと待ってください。
その思考のクセは、あなたがかつて安心できなかった環境で、どうにかして心を守ろうとして身につけたものかもしれません。

たとえば、「先回りして相手の顔色を読む」のは、怒られる前に対処するためだったかもしれない。
「自己否定するクセ」は、期待されることが苦しかった自分を守る手段だったのかもしれない。

だからこそ、その思考を責める必要はありません
まずは「気づくこと」「見つめること」から始めていきましょう。

歪んだ思考を手放すには──少しずつ、自分に優しく

「歪んだ思考を直さなきゃ」と思うと、かえって完璧を求めて苦しくなることもあります。

大切なのは、「あ、またこの考え方してるな」と気づくことを繰り返すこと。何度でもOKです。

少しずつ、「現実とのズレに気づける力」が育っていくと、気持ちも楽になり、人間関係の見え方も変わってきます。

歪んだ認知の変え方↓

思考を変えることは、人生を変えること

愛着障害を抱えていると、どうしても自己否定や不安に心を支配されがちです。でも、それはあなたが「弱い」からではありません。

むしろ、それだけ人とのつながりを大切にしたかったからこそ、今のような思考パターンを身につけたのだと思います。

「私の考え方、ちょっと行き過ぎてたかも」
そんなふうに優しく自分に声をかけられたら、それは大きな成長の証です。

どうか、今日から少しずつ「自分の味方になる練習」を始めてみてください。
あなたの思考は、変えることができます。

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